学校で困ったとき・先生を頼りたいとき

2019年2月13日

『おそい・はやい・ひくい・たかい』連載
小学校教員
岡崎 勝

この連載は、親御さんや学校で働くみなさんがもつ悩みや困ったことに、「お・は」編集人のボクが率直に答えていく連載です。
炎上覚悟(笑)! どうか、「参考」になればと思います。
もちろん本誌も読み応えがありますから、そちらもどうぞ。

連載4 先生にいいたいことを伝えたい!(中級編その1)

保護者からボクが受ける相談で2番め(1番めはいずれ)に多いのは「先生にいっても埒(らち)があきません」という保護者の怒りと困惑の訴えです。電話や連絡帳で苦情や要望を担任や学校に伝えてもなかなか意思の疎通が難しいときには、やはり面談して直接伝えるという方法が妥当です。今回は、「中級編」の1として面談の手順について書いてみます。

1)まずは日程の調整を

緊急性があれば、「緊急にお話ししたいことがあるので、お時間をとってもらえませんか」と電話(手紙でも可)で学校に伝えます。

もし、あなたが有名な「困った親」だという噂が学校側にあれば、電話を受けた職員は、おそらく「しばらくお待ちください……」とまずはいって、心のなかで「管理職に伝えなくちゃ」って思いながら受け答えするでしょう。

そうではなく、「ふつうの親」という認識なら、相手は名前もいわずに「なにかありましたか?」と質問してくるかもしれません。そのときは、簡単に話してもいいし、「長くなるのでお会いしてから話します」と返してもいいです(緊急、つまり今日・明日の話は、また別の稿でします)。

教員の場合は、勤務時間内でできるだけ仕事をしようと努力しているはずです。でも、たぶん帰りが遅くなることが日常的なので、夕方か、夜に面談時刻を融通してもらえるはずです。

内容が、相談ではなく抗議なら、「今度の金曜日の午後4時ごろに伺いますが、いいですか? 担任が無理なら、校長先生でもかまいませんよ」というケースもあるでしょう。

でも、けんか腰にする必要はない場合や、たとえ抗議や不満表明で「こちらのいいたいことがたくさんあるのよ!」という場合でも、冷静になれるならきちんと実務的に面談日程を決めたほうがいいです。

こちら(保護者)の仕事の都合があったり、家族が複数で面談する場合には、その旨を話し、できるだけ時間を配慮してもらうように話します。

2)参加はできるだけ複数で

保護者側としては、夫婦であれば、できるだけ二人で訪問し、面談したほうがいいです。

ひとり親家庭の場合は、一人でもかまいません。ただ、心細ければ、友人や祖父母など一人くらいは大丈夫です。その際には、「ちょっと話が散らかるかもしれないので、信頼できる親しい友人を一人連れて行きます」などと知らせておきます。

学校側は「関係者以外は困る」といいだすかもしれませんが、ボクは逆に一人だけよりも複数のほうが話が客観的になる場合が多いので、学校としても拒むのはやめたほうがいいと思っています。

数が多いと「圧力」を感じると疑心暗鬼になる管理職もいますが、基本的に話しあいであり「抗議ではない」ということをしっかりと話したほうがいいです。
ちなみに、「弁護士を同席させる」とか「代理人を立てる」と保護者がいうときには、それを学校が拒否することは難しいです。いまどき、公務員は公正でオープンな話しあいをしなくてはいけないのですから。

3)面談の主旨は明確に

ただし、話があるといっても最初からけんか腰は避けたほうがいいと思います。とりあえずは、

① 当日は、こちらの言い分を聞いてほしい。訴えを受けとめてほしい。

② 学校側には事実確認をおこない検討会を開いてもらい、後日、対策なり対応を提案してもらいたい。

③ そのうえで、再度話しあいをして、子どもがふつうに学校に通えるように要望する。

ということだと思います。

多くのトラブルの根本は、事実関係と、当該のトラブルにいたるまでの諸関係ができているかどうかです。

それまで、学校とはほとんど「交流」「やりとり」がないのに、いきなり結論を求めるのは厳しい場合があります。そこは若干でもいいですから予想しておいてください。

4)必要であれば何度でも

ざっくばらんにするのはかまいませんが、終了時刻は明確にして、必要なら何度でも話すという姿勢はもったほうがいいです。

ですから、聞きたいことや訴えたいことはメモでもかまいませんから作って、相手に渡すくらいのことは考えたほうがいいです。メモはできれば、保護者のサインと日付、宛名に学校名と校長名くらいは書いておいたほうがいいです。

いまだに、こうしたことに慣れていない管理職が多いのです。でも、あえていいますが、学校側には、真摯にかつビジネスライクに受けとめてほしいです。

保護者としては「教育愛あふれることば」を期待しているわけではないのです。事実や困惑を受けとめてほしいのです。

面談は手間がかかりますが、改善の方法を考えることがいちばん重要だということをくり返し訴えたいものです。

結論
「まずは、抗議ではなく、話しあいの場にできるように」

前回 連載3 先生にいいたいことを伝えたい!(初級編その2)

 おかざき・まさる

1952年愛知県名古屋市生まれ。小学校教員43年め。フリースクール「アーレの樹」理事。1998年より「お・は」編集人。きょうだい誌「ち・お」編集協力人も務める。著書に『きみ、ひとを育む教師ならば』『ガラスの玉ねぎ こどもの姿を写し出す1年白組教室通信』(ともに小社刊)、『みんなでトロプス!』(風媒社)、『学校再発見!』(岩波書店)、『新・子どもと親と生活指導』(日本評論社)、『センセイは見た!「教育改革」の正体』(青土社)、共・編著に『友だちってなんだろう』(日本評論社)、『がっこう百科』(小社刊)など。

 

 

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