学校で困ったとき・先生を頼りたいとき

2018年8月24日

『おそい・はやい・ひくい・たかい』連載
小学校教員
岡崎 勝

この連載は、親御さんや学校で働くみなさんがもつ悩みや困ったことに、「お・は」編集人のボクが率直に答えていく連載です。
炎上覚悟(笑)! どうか、「参考」になればと思います。
もちろん本誌も読み応えがありますから、そちらもどうぞ。

 

連載2 先生にいいたいことを伝えたい!(初級編その1)

 

保護者からボクが受ける相談で2番め(1番めはいずれ)に多いのは「先生にいっても埒(らち)があきません」という保護者の怒りと困惑の訴えです。苦情や要望を担任や学校にどう伝えるか「効果的な方法を教えてほしい」というものです。今回は、そのことを書いてみます。

 

でも、たいていこの質問には、条件がついていることが多いのです。たとえば、「自分の子どもに先生の攻撃がおよばないように」とか、「ほかの先生に誤解されないように」。あるいは「ほかの保護者から変な目で見られないように」というものです。
これはちょっと「虫のいい話」ですが、気持ちは十分にわかります。子どもによかれと思ってがんばったのに、結果的にみんなから変な目で見られたら、なんのためにやったのかがわからなくなるからです。
それと、たんなる保護者の自己満足(けっこう多いですが)だけで学校に抗議したり要望したりしても、あまり意味がありません……というより、当の子どもに理解されないこともあります。これは避けたいです。
とりあえず、そのハードさ、つまり難しさからリスクの多さも念頭に入れて「段階的」にその方法を書いてみたいと思います。今回はまず、「ソフトに迫る」方法です。いくつか例を挙げます。ただ、ソフトということは、効き目の判断はなかなか微妙だということです。
おおまかな順番ですので、すごろくのように「ひとつずつ」とか「みっつ進む」など考えてやってみてください。ときどきは、「振り出しにもどる」というのもあります、必然として。
初級編
1)電話でGO!
①こういう相談で学校側と話すときに、いちばん重要なのは、苦情や怒りを伝えるだけでいいのか、あるいは話をきちんと伝えて善処を望むのかをはっきりします。怒りを伝えるだけなら、酒でもあおり、よほど名誉毀損をしないかぎりボロクソにいいたいことをいっておけばいいのです(こういう人が昭和は多かった)。相手の先生も、コノヤローと思って、適当に聞き流すしかないですから。それはそれで、かなり人間的です。あとは野となれ山となれ的でないとだめですけどね。でもそうでないのなら、できるだけ冷静に電話しましょう。
②まず、いつ電話をかけるかですが、平日の朝の8時から19時くらいまでなら、学校には必ず誰かいると思います。ですから、いつでもいいのです。ただ、話したい相手=担任・担当者が指導中とか欠勤で不在とか、会議中、出張中というのはよくあることで、いないことを予想しておかなければなりません。「そんなもんより、私の話のほうが大事だろう」という気持ちもあろうかと思いますが。
相手が逃げているということもあるかもしれません。あの親とは話したくないとか、いまは話すとまずいということがあり、居留守を使う場合もあります。
しかし、そこを争ってもしょうがないので、とりあえず1回目はまず、学校に電話して「ハイ、こちら長田小学校の二階堂と申します」とどの先生かが出たら、「お忙しいところ、失礼します。二階堂先生、私、3年2組の安倍晋二の母の秋江です。担任の岡崎先生に子どものことでお話がしたいのですがお願いします」と伝えます。

③相手が出たときには、用件を話しますが、明らかに忙しそうなら3〜5分以内です、タイマーを持って話しましょう。いずれにしても、恋人同士ではないのですから、長いと相手も焦点がぼけてしまうので長電話は避けたほうがいいです。ときどき、「1時間も話したのよ」というお母さんもいますが、そんなに話したら中身がぼやけてしまい、先生も、ただ「まいったなあ」という長時間電話の印象しか残らないのがふつうです。受話器(いまは「スマホ」でかける人が多いでしょうか)が息の水蒸気で濡れるようでは長すぎます。
できれば、用件のポイントは3点くらいにしぼってあらかじめメモにしておき、それだけを伝えることが重要です。つまり、詳細はやはり会って話したほうがいいのです。電話は、たんに伝言するだけという場合にはいいですが、込み入った話は電話ではやめたほうがいいです。
「忙しいのよ!」という人もいますが、ボクはなんとか会って話すことをすすめますし、ボク自身は込み入った話をじっくり聞くとなると電話ではやりません。しょせん、相手の顔を見て話ができないのですから。
それに、電話は軽いし、一方通行になりがちで、誤解や偏見も生みます。
とここで……もう今回の字数が……。
「初級編」次回につづきます!

 

結論
「電話で込み入った話はしない!」

 

 

前回 連載1 宿題が多すぎるんですけど!

 おかざき・まさる

1952年愛知県名古屋市生まれ。小学校教員43年め。フリースクール「アーレの樹」理事。1998年より「お・は」編集人。きょうだい誌「ち・お」編集協力人も務める。著書に『きみ、ひとを育む教師ならば』『ガラスの玉ねぎ こどもの姿を写し出す1年白組教室通信』(ともに小社刊)、『みんなでトロプス!』(風媒社)、『学校再発見!』(岩波書店)、『新・子どもと親と生活指導』(日本評論社)、『センセイは見た!「教育改革」の正体』(青土社)、共・編著に『友だちってなんだろう』(日本評論社)、『がっこう百科』(小社刊)など。

 

 

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