0歳ー6歳 11歳ー18歳 ちいさい・おおきい 育て方 障害・発達

ちいさい・おおきい・よわい・つよい No.131

2022年3月31日
ちいさい・おおきい・よわい・つよい NO.131

2022年4月25日刊行
山口和彦 著

こどもの「こころと脳」を科学する

発達のつまずきか? 育ちの個性か?

こどもにとって、どんな教育を、いつ頃からしたらよいだろう? 才能があるかも? 早く手をうたないといけない?

そんな思いが芽生えたら、まずはこの一号をお薦めします。お教室や先生探しはそのあとに。

人間のこどもとサルの子の分かれ道は、「なぜ?」という問いかけが生まれるかどうか。それは、DNAに秘められています。こどもは自然そのもの。「親の良かれ」がそこに反してしまえば、こどもには不自然で負荷をかけるだけ。

こどもには幸せになってもらいたい。そう思うとき、親としての学びがはじまります。

定価1,980円(本体価格1,800円+消費税)

四六判/224頁/ISBN978-4-88049-931-4
 
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もくじ
〈ちいさい・おおきい・よわい・つよい〉
たがいに考えあうために 03
熊谷晋一郎(小児科医/〈ち・お〉編集代表)
こどもの「こころと脳」を科学する
発達のつまずきか? 育ちの個性か?
山口和彦(脳神経科学者)
はじめに
「脳科学」の知識が子育てに役立つように 15
1章 子育てと「脳科学」
◇「脳科学」を、どうとらえる?
赤ちゃんを「かわいい」と思う理由 20/「母性行動」と脳の関係 22/「こころ」はどこにある? 23/「こころ」が心臓にあると思われていたころ 25/「こころ」は脳に由来する 27/動物にも「ここ」はある? 27/「こころ」と物質の関係 28/「こころの病」を治療するということ 30/「もの」としてあつかわれる「脳」や「こころ」 31/「こころの病」の診断は、いまでも道なかば 31/お母さんが「脳科学」に惑わされてしまうのは 34
コラム フロイト派の理論が科学でない理由 33
◇「脳」は、どうなっているの?
実際の「脳」を見てみよう 36/脳のしわが多いと賢い? 38/脳のなかにある「海馬」 41/「神経細胞」が集まった「神経組織」 42/神経細胞同士のあいだをつなぐもの 43/脳の状態からわかること、わからないこと 45/こどもの脳になにかあるのではないかと思うとき 47
2章 脳の「発達」と「発達障害」
◇こどもの脳の「発達」
「能力」はどう決まる? 50/受精卵から脳がかたちづくられるまで 51/神経細胞の枝ぶりが広がるとき 53/生きる環境に必要なものだけを残す「刈り込み」 55/神経回路の配線は遺伝子によって決まる 56/視覚に関する神経回路が形成されるとき 59/「臨界期」=変化できる時期は限られている 62/人間の視覚の臨界期―斜視のこどもの例 64/神経細胞の枝ぶりは環境で差が出る? 65/脳に影響をおよぼす虐待 66
◇「早期教育」は有効なの?
臨界期のあるもの―楽器演奏と母国語 68/臨界期のないもの―空間記憶 70/一方的なプログラムをあたえられるストレス 71/「考える力」はどう育つ? 72/三歳までの教育は、10歳には消える? 73
◇「自閉スペクトラム症」の子をどう育てる?
「自閉症」の特徴―「アスペルガー型」と「カナー型」 75/「お母さんのせい」から「脳の問題」となるまで 76/父親の年齢が高いと起こること 77/シナプスの「刈り込み」が弱い場合、「刈り込み」すぎている場合 79/「自閉スペクトラム症」の子が苦手なこと 80/その子にあったコミュニケーションの方法を考える 81
3章 「性格」はどう決まる?
◇「性格」をかたちづくるもの
「生物学的な要因」と「環境的な要因」 84/性格が親に似るのは「遺伝」のせい? 85/遺伝子と性格の関係―神経回路の発達と「こころの働き」 86/性格や情動に関係する「神経修飾物質」 87/「こわがる」「おもしろがる」神経回路の混線から生じる感情 88/人によってちがう神経回路の「刈り込み」方 89
◇「神経伝達物質」と「神経修飾物質」
「神経伝達物質」の働き―「興奮」と「抑制」 91/ふたつの選択肢で迷うときに影響をあたえる「神経修飾物質」 92/「報酬系」と呼ばれるドーパミン 93/「緊急事態」「ストレス状態」に出るノルアドレナリン 98/「平常心」を保つセロトニン 101/セロトニンの分泌量によってちがう、将来の報酬の考え方 103/困難にある状態でも、人間らしさを保つには 105/セロトニンの吸収を防ぐ働きをする「抗うつ剤」 106/神経から出た物質を受けとめる「受容体」 109
コラム
覚醒剤と似たドーパミンの作用 94/ドーパミンとノルアドレナリンによる行動のちがい―作業仮説 100/薬物(ドラッグ)はどうして効くの? 107
◇男の子と女の子で、ちがいはあるの?
分析的に偏りがちな男性と、分析と直感のバランスがとれた女性 111/冷たい色・動くものを好む男の子、暖かい色・家庭や自然を好む女の子 113/知的な機能に男女の差はない 114/「男脳」「女脳」をどう見るか? 115
4章 「記憶」と「学習」
◇「記憶」とは、なにか?
覚えられるのは、いくつまで? 118/容量に限りのある「短期記憶」 119/大容量で長い期間残る「長期記憶」 120/「健忘症」から解明された「記憶」と「海馬」の関係 122/「長期記憶」を書き込む「海馬」と「短期記憶」を司る「前頭葉」 124/場所と出来事を結びつける「海馬」の役割 125/プラス(報酬)の記憶とマイナス(恐怖)の記憶 127
◇「記憶学習」のメカニズム
神経細胞の働きと場所の記憶 129/記憶の基本になるのは、シナプスが強められること 131/海馬の「シナプス可塑性」と大脳皮質の役割 133
コラム
認知症で物忘れが多くなるのはなぜ? 135
◇「記憶」を「学習」に役立てるには
くり返し、「毎日少しずつ短時間」を続ける 137/声に出す、筆記する、色や形に結びつける 139/記憶を大脳皮質に固定させる睡眠とタンパク質 139/ストレスと記憶の関係 140/情景や場所のイメージと結びつける 141
◇「記憶」と「自己」の関係
脳の担当する部分がちがう、ふたつの「自己」 143/「無心」にある状態の「原自己」 144/「記憶」に支えられていない「原自己」を共有する 146
5章 「脳」と「こころ」と「体」
◇「交感神経」と「副交感神経」
心臓がドキドキするのはなぜ?―内臓を動かす「自律神経」 148/交感神経が働くとき―「戦うか、逃げろ」 149/副交感神経が働くとき―「食後にのんびり」 151/内臓につながる「交感神経」と「副交感神経」 152/心拍数と血圧をあげる「ノルアドレナリン」 155
コラム
「目的論」と「進化論」 156
◇「ストレス」に、どう対処する?
ストレス反応の三段階 158/どうして病気につながるのか 160/臓器を分けて考える―デカルトの「還元論」 162/自律神経のバランスの問題にかかわる「心身症」 163/こどもがストレスで熱を出すとき 165/ストレスに対処するための三つのR 167/非常時=強いストレスに有効なセロトニン 168/日常習慣の維持が、生きることを助ける 169/言語中枢がある「左半球」と全体を把握する「右半球」 171/右半球にある意識の存在―ジル・ボルト・テイラー『奇跡の脳』より 172/左半球から生じるストレスを減らすために 174
6章 脳科学者が考える〝人間らしさ〞
◇動物と人間のちがい
哺乳類に共通する「育児行動」 178/類人猿とヒトのちがい①―社会性 179/類人猿とヒトのちがい②―文明と発達 181/動物も言葉を理解する? 182/二、三歳児の言語能力がある類人猿 184/ヒトと類人猿のちがいは「なぜ?」と問うこと 185/人間の脳は二〇万年前から変わらない 186/こどもの「なぜ?」に応えるために 187/人類の移動とともに広がったふたつの神話群 188/「なぜ?」の結果を変えるための「呪術」 190/偶然うまくいったまじないから始まった「農業」 191/環境に影響をおよぼすようになった「人間の知恵」 192
◇「右半球」と「左半球」の働き
「左半球」の損傷で起こる臨死体験 194/脳出血で体験した「ストレスからの解放」 196/左半球と右半球をつなぐ「脳梁」 197/分析的な「左半球」と総合的な「右半球」 199/「自分」=自己意識は「左半球」にある 200/動物と共通する機能とヒトにある機能 202/罪ともいえる「文明」をつくった「左半球」 204/「右半球」にある平和的な価値観を大切に 205
おわりに
こどもが生きる未来が「住みやすい」社会であるために 207
近刊予告 209
創刊のことば 210
〔アピール〕原発のない日本を 212
〈ち・お〉&〈お・は〉を読む会リスト 214
〈ち・お〉バックナンバー常備店 216
編集後記 218
〈ちいさい・おおきい・よわい・つよい〉の編集にかかわる人たち 219
「ホームページ会員」3つの特典 220
〈ち・お〉&〈お・は〉の定期購読について 222
インフォメーション ジャパンマシニスト各種お問いあわせ先 223