おしゃべりのなかのこどもたち

2023年7月21日

2023年8月4日刊行 
さとうまき 著

あなたは、こどもが泣いていたら、騒いでいたら、どう感じますか?
筆者は3人のこどもを育てるお母さん。「こども乗せ」自転車も、車も持たず、賃貸のアパートに住んでいます。
家の中で、注意しても走り、飛び回るこどもたち。「騒音についてのお願い」の紙がポストに入ります。バスで泣いてしまうこどもを必死にあやしても泣き止まず、ほかの乗客に「うるさい!」と叱られたりもします。

公園でこどもを遊ばせていたら通報されるというニュースを見て、「一体こどもはどこで思い切り遊べば良いのだろう?」と考えたりもします。さらにコロナ禍で、こどもたちの居場所はどんどん社会に奪われていきました。
筆者は、あなたかもしれません。作中の登場人物にもあなたがいるかもしれません。こどもを育てることは、こんなに肩身の狭い思いを抱えないといけないのです。

しかし筆者は、そんな現実に対して、不思議と絶望をしていません。こどもたちという希望を育てているからです。こどもたちは、お利口さんで静かな良い子というタイプではなく、言う事を聞かず、個性豊かで、面白い事件を毎日沢山起こしてくれます。どんなに追い詰められていても、こどもたちとおしゃべりをして、筆者はお腹を抱えて笑って生きているのです。

詩文集『おしゃべりのなかのこどもたち』は、筆者が必死に書き残した宝物のようなおしゃべりが沢山詰まっています。

「ちいさい・おおきい・よわい・つよい」別冊

さとうまき プロフィール
1983年生まれ。同志社女子大学卒。一男二女の母。20歳になったとき突然詩のようなものを書きはじめ、2011年に第一詩集「やまんばワルツ」、2016年に第二詩集「不妊治療」を発行。『文芸思潮』第16回エッセイ賞(2022年)奨励賞ほか、文芸誌・詩誌にて受賞・選出作品多数。

定価(本体価格1,800円+消費税)

A5変型判/208頁/ISBN978-4-88049-341-1

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もくじ
詩文集
おしゃべりの なかの こどもたち
ママは「ことば」の料理人
さとうまき
Season 1
ばいばい・だっこ・はい、どうじょ
「ことば」のはじまり
―息子1歳3ヶ月から
ばいばぁい 012
だんにゅう 013
「おしゃべり」のはじまり
―息子1歳6ヶ月から
あさごはん 016
てをつなぐ 017
こうえん 018
だっこ 018
はみがき 018
いってきます 019
おなまえは? 019
まねっこ 020
ずかん 020
だれに ばいばいしたの? 020
くれよんの スープ 021
ひろがるせかい・ふえる「ことば」
―息子2歳から
ねかしつけ 022
ぴんくろい 022
はい どうじょ 023
ぱとかー 024
おっきい えい 024
こうえんの いし 024
ろくじ さんぷん 024
おいかけて 025
みどりの りゅっく 025
おうちの ばすてい 026
ねんねの あいさつ 027
へんしん 027
のぼれる かなぁ? 027
どろんこ 027
「おにいちゃん」になる
―息子2歳6ヶ月から
おしっこ 028
うんち 030
きょう 033
しないよ 033
にんしん してるから 034
ぼくが だっこして くれる 034
いんたーふぉん 035
どあ しまります 035
はなび ないてるね 036
ぽか ぽか 036
「二人」きょうだいになる
―息子3歳(幼稚園入園)、娘0歳
ふろあがり 037
ひとりで できない 037
あかちゃん そっち おいて 038
びょういん がよい 040
「お父さん」がおうちにいる
―息子3歳、娘0歳
むしょく 041
ほけんしょうが ない 043
ぱぱ いつしごと やめるの? 044
「まま」と「いもうと」と
―息子3歳、娘0歳
せいりの ち 045
おなかの きず 046
さんたくろーすが 046
ずっと いっしょに 047
さかなが きゅっぴき 048
おしゃべりと ごはんと 048
いもうと きらい 050
二人の「おにいちゃん」になる
―息子3歳、娘1歳
さんにんめの にんしん 052
やちん はらって もらわないと 054
いきるって 054
Season 2
どたどた・ぎゃはははは・えーん
「三人」きょうだいになる
―息子4歳、娘もうすぐ2歳・0歳
さんにんめの しゅっさん 056
もうひとり わたしがほしい 059
あかい ながぐつ 060
あぶない 060
てをふりほどく むすめ 061
せんそう また せんそう 062
「まま」大好き
―息子4歳一0ヶ月から
ぼくは ぼくだもん 065
ままをたすける ひーろーに 06
新しい生活様式?
―息子5歳、娘2歳・0歳
ころなの なかでも 067
やりかえし 068
りもーとわーく 069
ずっと だいどころに いるような 071
ゆっくりな むすこ 072
しの ろうどく 073
ぱぱが かわいそう 074
こどものいるくらし
―息子五歳、娘二歳・〇歳
おとなりさん 075
うるさくして すみません 081
「学ぶ」こと、「成長」すること
―息子5歳、娘2歳・1歳
おべんきょう 085
まま みて! 087
ししゅんきに なったら 088
ままの せかいは 089
ともだちに いやなこと いわれて 090
ぱぱ びじゅつかん 092
やきとり 093
りっぷくりーむが 093
あぶない むすめ 093
あかちゃんが いちい 095
みやざわけんじさん やってるんだよ 096
「想像」と「現実」と
―息子5歳、娘3歳・1歳
いっしょに てんごくに 097
きらいでも すき 099
じかんが ない 099
だいやもんど と さふぁいや 101
ういてる 103
いつ じしんが 104
がいしょく 104
寝る前に
―息子5歳、娘3歳・1歳
ぜいたくが しあわせ 107
ねるじかんだよ 109
「きょうだい」のちがい
―息子もうすぐ6歳、娘3歳・1歳
よぼうせっしゅ 110
なぞの さんかくかんけい 113
「ぼく」も「ことば」のお料理
―息子もうすぐ6歳
こどもの『こ』 115
はやくち ことば 116
かいそう してる 116
幼稚園の終わりが近づいて
―息子もうすぐ6歳、娘3歳・1歳
おおきくなって きちゃった 117
さいごの つうえんばす 118
そつえんしき 120
Season 3
ぼく わたし
やりたい! いやだ!
もう、いかない!
小学生の息子と幼稚園に入った娘と
―息子6歳、娘3歳・1歳
いきてかえって くるんだよ 124
ようちえん いかない! 125
そとでは しっかり 127
ばくだんに へんしん 128
あさ がっこう いくまで 130
ままが わるい! 132
みんな こないから さびしい 132
おまもりは まま 133
三人三様に育っていくなかで
―息子6歳、娘3歳・もうすぐ2歳
にじ 134
やせいてきな むすめ 134
ならいごと 136
ちぃたんの! 136
ししゃからの でんわ 138
しょっぴんぐもーる 139
ままになりたい 141
せみさん さわろ 142
いきてやる 142
小学生の「にいに」と妹たち
―息子6歳、娘3歳・2歳
せんえんかっと 143
いもうと ずるいぞ! 145
でんわ そうだん 146
ままの ともだち 147
おうだん ほどう 148
せいけん ほうそう 149
かだんの こすもす 150
みっしょん 151
たんこぶ 151
えほんは ばなな 152
ちょうの こうび 152
家計のやりくり
―息子6歳、娘4歳・2歳
なっとうの あたり 153
くるま にも まけず 154
いちばん、になれなくても
―息子6歳、娘4歳・2歳
くやしかった 156
なんで べんきょう するの? 158
みんな えらい 160
けいさつに あやしまれて 161
そろばんは たのしい 161
Season4
ままを まもる!
ままみたいに おおきくなる。
コロナ禍の子育て三年目
―息子もうすぐ7歳、娘4歳・2歳
ころなで きゅうえん きゅうがく 164
2022年、ああ夏よ
―息子7歳、娘4歳・もうすぐ3歳
めんどくさい といれ とれーにんぐ 166
かわいた せんたくものが 166
おばけ でるもん 167
母の さんぱつ 169
ぱぱへの ほうこく 170
まじょ ぱんち 170
むすこの えんぜつ 171
わるぢえ 171
どろぼうが はいってきたら 172
ままの となりは ちょうこうきゅう 173
にぃにに おれい 174
もっともっと「ことば」のお料理
―息子7歳、娘4歳・もうすぐ3歳
ぽっぷこーんちゃん 175
ままの ごはん 175
みそしるちゃん 176
ぶどうの なかには 177
そして、暮らしはつづく
―息子7歳、娘もうすぐ5歳・3歳
夫の てんしょく 178
あぱーとの ねあげ 178
いっぱい たべて おおきくなる 179
なかまはずれ 180
にんじんさん 182
せんごくじだい 183
かみなりさまが きてる 184
なんで てが あるの 186
番外編
いのちと「性」と
―息子7歳、娘4歳・3歳
おんなのこの ぱんつ 187
おとこのこの ちんちん 189
あかちゃんの たまご 190
いつ けっこんするの? 192
あとがきにかえての一人おしゃべり 194
解説
「おしゃべり」を「話詩」に 196
児童文化研究者 村瀬 学