2020年8月20日

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テキスト『15分動画でワクワク! 小学生の授業シーズン2』より
(2020年秋、刊行予定)


「いいにおい」と危険な化学物質

 新築改築された学校で頭痛がひどくなったり、めまいがしたりする子どもがたくさん出るようになって、はじめて「シックスクール」という名前がつけられ、改善は進みました。自然由来の塗料やワックスも、化学物質を極力抑えたり、樹脂を利用したり「環境に優しい」とうたっています。
 しかし、最近のデオドラント(消臭剤)指向の生活や、無菌指向で、化学物質がたくさん、無定量に使われることが多くなっています。そのため、生活が壊されるほどの化学物質過敏症をひきおこすのです。
 とりわけ「いいにおい」というのがくせ者です。人間の「においの歴史」は「感性の歴史」でもあるのです。なにを「いいにおい」とするかは時代や社会によってきまるのです。ですから、いま「いいにおい」と判じているのも、じつは化学物質 過敏症をもたらすような「危険なにおい」となっているんだと思います。

参考文献:水野玲子『「甘い香り」に潜むリスク 香害は公害』(小社刊、2020)
柳沢幸雄『空気の授業――化学物質過敏症とはなんだろう?』(小社刊、2019)


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