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こころ学シリーズⅢ 「発達障害」とはなんだろう?

2020年8月31日

2020年10月5日刊行 
石川憲彦 著

新しい発達障害が次々と登場し、ほとんどの人が障害者になる。間もなくそんな日がやって来そうです。
なぜ、そうなるのか?
それはどんなふうに起こってくるのか?

本書ではAD/HDを第Ⅰ章、LDを第Ⅱ章、自閉スペクトラム症を第Ⅲ章で取り扱います。各障害は、医学的見解をめぐって各々以下のテーマとの関連を中心に紹介します。
第Ⅰ章は、障害を治療しようとする社会的圧力が生み出す精神医療の薬剤依存傾向。
第Ⅱ章は、教育による知の細分化を生み出した知の分断と精神科診断の現状。
第Ⅲ章は、障害が新たにつくられていく過程とその中で生み出される混乱。
第Ⅳ章では、今日行われている治療を批判的に検討しながら、今「発達障害」と呼ばれている人たちにとっての問題解決の方向を探ります。
この作業を通じて、新たに障害者となる私たちの未来とそこに至る心構えも垣間みえてくるでしょう。

定価(本体価格3,800円+消費税)

四六判/408頁/ISBN978-4-88049-493-7

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目 次

プロローグ

新「障害者」となる私たちの未来
発達上の異常を「障害」と考えるとき…23/人為淘汰の結果生み出された新障害…24/LD(学習障害)をつくり出したもの…26/リアルな関係性の内在化をするために…28/新発達障害が急増するとき…30

 

Ⅰ 薬剤依存への道─AD/HDの治療から

第Ⅰ章のはじめに
MBD(微細脳障害)の第一人者・プーさんとの出会い…35/記憶力抜群の中学生・カキやん…37/多動な子どもたちへの投薬…40/自然の中で出た結論…43
「発達障害」とは、なにか?
発達障害ブームの始まり…45/対象は、幼い子どもから成人までに…46/法にあるのは「脳機能の障害」…48/三つの違和感…49/使用される覚醒剤…51
AD/HDは、どう診断されるのか?
二つの診断基準(ICDとDSM)…54/AD/HDの診断要素…56/子どもと大人の関係性によって形成される障害… 60 /国や年代で生じる差…62/マルタの「よい子」がドイツではAD/HD…65/問題視されたのは、落ち着きがない子…68/MBD(微細脳障害)の誕生…70/日本に導入されたMBD…72
AD/HDの原因と治療
ひき継がれた覚醒剤リタリン… 75/リタリンの始まり… 78 /原因にあるのはドーパミン…79/社会的バイアスに左右される診断…81/覚醒剤の四つの問題…83
薬の作用とリスク
中枢神経刺激剤と注意欠陥/多動性障害治療薬…86/実行機能と脳内報酬系… 87/覚醒剤の依存と中毒…90/使用期間と副作用…95/三剤の有効性とプラシーボ効果…96/薬の使用の判断基準… 98/薬を使用したほうがいいというバイアス…100
社会で起きている変化
人間にプログラムされた自然界で必要な力…103/人為社会で起こる脳のごまかし…105/リタリンの増加がもたらしたこと…106/発達障害と犯罪の関係…109

 

II 分類処遇によってすり替えられる診断─LDから始まる知の分断

第Ⅱ章のはじめに
カキやんの変化… 115/原因は自分にあったという気づき… 116/算数が苦手な女性と特殊教育… 118/トゥレッテ症候群のキチが教えてくれたこと…122
診断にある政治性
診断が必要な理由…126/AD/HDとLD(学習障害)…130/LDの「D」の複雑さ…132/個別支援教育IEP…134発達障害の分類日本では定義が曖昧なLD…136/医学的LDの怪しさ…139/二つの診断基準の接近と混乱… 142/不器用でぎこちない運動症群… 147/顔面の小運動をはじめとするチック症群…151/「コミュニケーション」の障害…154/法から除外された「知的障害」…160/分離教育と差別…162/診断を分断に用いる危うさ…167/専門家と親だけで決められた法…169
治療・早期発見・犯罪のもたらす政治性
法が担った問題のすりかえ…172/改善可能性にある二つのモデル…173/診断に期待するストーリー…175/早期発見にある社会的リスク…178/発達障害児は危険だというキャン ペーン…180/人々の心配を駆り立てるもの…183
医学的診断と治療
対症療法と根治療法…187/判断が難しい薬の安全性…189/分類処遇制度によって生じる歪み…190

 

III 新たにつくられていく障害─「自閉スペクトラム症」とはなにか?

第Ⅲ章のはじめに
家族から敬遠された長兄「ゴテひろ」…195/訴訟を起こすことが常習化…198/兄にみられた清潔恐怖と強迫的儀式…199/八六歳で診断された「自閉スペクトラム症」…201
「自閉スペクトラム症」の定義
新障害はどうみいだされ、発展するのか?…203/アスピーの発見基準…205/同じ名前でもくいちがう定義…208/定義に差が生じる理由…211/『DSM −5』の診断基準…213/言語的コミュニケーション行動の問題…217/診断基準A 共感あるいは共有の問題…219/診断基準B 個人の特性を示すような言動…222/「スペクトラム」が意味するところ…225
カナーが示した「自閉症」
一六項目の症状…230/『DSM −5』と重なる部分…234/時代や人によって異なる内容…237
「自閉症」をめぐる論争
「アスペルガー症候群」の登場…240/「社会的(語用論的)コミュニケーション症」…244 /揺れつづける自閉症論…246
子育てにまつわる混乱
母子関係による情緒障害説…249/戦争後に高まった母性愛神話…252/専門家たちの根拠のない提案…255
心が読めないのは問題か?
「心の理論」と「マインドリーディング」…258/自閉症の人が抱える暮らしにくさ…260/マインドリーディングの欠如の対応…263/発想の転換になるできごと…266/大切なのはマインドが通じ合う関係性…268/アスピーと診断基準D(生活状況)…271/統合失調症との鑑別…271/誰もが障害者になる時代…276

 

IV 「発達障害」の問題を解決するために

第Ⅳ章のはじめに
年月を経た後で…281/人は人と出会いながら変わる…287
発達障害と治療
ともに解決方法を考え合う「場の療法」…290/5W1Hを用いた治療仮説…292/仮説の判断材料となる原則…295/薬剤使用上の原則… 297/治療を求める背景にあるもの…301/非薬剤的療法の判断指針…303/通訳・コーチのような存在である専門家…304/プロがカバーできる領域…308/精神障害の五つのグループ…310/精神的法則を判断する三つの基準…313/併存する疾患…315
自閉スペクトラム症の治療
投薬の対象になる「易刺激性」…317/行動を軌道修正する「オリエンテーション機能」…319/話を聞くことでみえる誤解や行きちがい…321/「統合失調症」と診断されるとき… 324
オリエンテーションの障害
発達障害として排除されるとき… 328/病的状態に陥るとき…330/治療で大切なこと…333
「双極性障害」のエネルギー供給・調整システム
そうとうつの症状…336/「双極性障害」と「抑うつ障害」…341/エネルギーの回復に必要なのは休息…342/そう状態を短く弱く抑えるために…346
安全防衛上の問題と欲求充足の問題
科学の発展と社会の変化から生じたこと…349/新しい変化が生み出す不安や恐怖…351/充足しても満たされない欲求…353/安全防衛上の問題に対する治療…355/欲求充足の問題に対する治療…358/心身相関…361
今、これからの医療と社会の進む道
遺伝子を書き換えること…363/様々なタイプの人間が生き残るために…366/人為淘汰する方向に動く社会…368/二つの「易刺激性」…369/「易衝動性」を生み出すもの…371/ハンスになった青年…374/ほとんどの人が新発達障害者…376

 

エピローグ

人類の分岐点に立つときに
未知の病原体が襲った恐怖… 383/「コロナの時代の新たな日常」と「出口戦略」… 384/「不要不急」が意味するもの… 386/自然淘汰の底力と人為淘汰のもろさ… 389/新生活の三種の神器… 389/人類の本質にある相互依存関係…394/依存が免責されるとき…395

2020年8月25日

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テキスト『15分動画でワクワク! 小学生の授業2』より
(2020年秋、刊行予定)


もし、いじめにあったら

 いじめのほとんどが「なりゆき」や「その場の流れ」で、攻撃に同調する多数の子どもによって深刻化します。つまり、いじめの空気がいつのまにか醸成されていることが多いのです。単純な二人のトラブルが、学級や周囲の子どもたちの安易な言動によっていじめ事件に発展するとき、それを許容しているのは、ほかでもない教師をふくむ学級組織です。
 つまり、教師や周囲の大人が日常的に「弱いものいじめは許さない」という空気をつくることが、いじめを深刻化しないいちばんの近道なのです。
(『小学生の授業 シーズン2』より抜粋)

→「おかざき学級」時間割

2020年8月20日

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テキスト『15分動画でワクワク! 小学生の授業シーズン2』より
(2020年秋、刊行予定)


「いいにおい」と危険な化学物質

 新築改築された学校で頭痛がひどくなったり、めまいがしたりする子どもがたくさん出るようになって、はじめて「シックスクール」という名前がつけられ、改善は進みました。自然由来の塗料やワックスも、化学物質を極力抑えたり、樹脂を利用したり「環境に優しい」とうたっています。
 しかし、最近のデオドラント(消臭剤)指向の生活や、無菌指向で、化学物質がたくさん、無定量に使われることが多くなっています。そのため、生活が壊されるほどの化学物質過敏症をひきおこすのです。
 とりわけ「いいにおい」というのがくせ者です。人間の「においの歴史」は「感性の歴史」でもあるのです。なにを「いいにおい」とするかは時代や社会によってきまるのです。ですから、いま「いいにおい」と判じているのも、じつは化学物質 過敏症をもたらすような「危険なにおい」となっているんだと思います。

参考文献:水野玲子『「甘い香り」に潜むリスク 香害は公害』(小社刊、2020)
柳沢幸雄『空気の授業――化学物質過敏症とはなんだろう?』(小社刊、2019)


→「おかざき学級」時間割

2020年8月20日

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テキスト『15分動画でワクワク! 小学生の授業シーズン2』より
(2020年秋、刊行予定)


どうして学校へ行くの?
勉強するの?

 「学校ってなんのためにあるのですか?」「なぜ勉強しなくちゃいけないのですか?」と子どもだけでなく、大人にもよく聞かれます。
 この問いにはたくさんの知識人が答えています。知識人は、学校なしに知識人になれませんから、けっこう真剣に「学校は大事だよ」といいます。(中略)
 学校のいちばんの役割は、「良質の託児所であること」だと思っています。つまり、世間の大人が働き、社会でみんなのためにがんばっているあいだ、手間のかかる子どもは学校で、遊んだり、かしこくなるように勉強しておいたほうがいいということです。(中略)
 いま、学校は無理矢理行くところではありません。でも、家にずっといられる子もいれば、それだと親が仕事などにさしつかえ、たいへんになってしまうという子もいます。勉強がおくれるという心配をする人もいますが、やる気が出たり、必要性がわかれば勉強は自分でやりますし、やらなければなりません。
 たかが学校、されど学校なのです。

参考文献:中山千夏『主人公はきみだ――ライツのランプをともそうよ』(出版ワークス、2019)
(『小学生の授業 シーズン②』より抜粋)


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2020年8月20日

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テキスト『15分動画でワクワク! 小学生の授業シーズン2』より
(2020年秋、刊行予定)


おばけのねがい

 おばけの話はとてもおもしろいのです。ちょっとこわいけど、ドキドキします。見てみたい、聞いてみたいものです。最近は、過剰に心理学主義的でリスク回避の態度が社会にあるので、「こわいものはトラウマをつくる」というわかったような軽薄な思いこみで、おばけや妖怪話を忌諱〔きき〕する教員や保護者が目立ちます。
 でも、こわいことや危険なことは魅力的なのです。ちょっとオーバーにいえば、そこから想像力が育ち、創造性が生まれます。二重三重にセーフティネットを分厚くするような子育てにボクは同意できません。

参考文献:小松和彦『百鬼夜行絵巻の謎』(集英社新書ビジュアル版、2008)
(『小学生の授業 シ−ズン②』より抜粋)
(『小学生の授業2』より一部抜粋)


→「おかざき学級」時間割

2020年8月16日

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テキスト『15分動画でワクワク! 小学生の授業シーズン2』より
(2020年秋、刊行予定)


ドラキュラと血液の関係

 ドラキュラ伝説は奥が深くて、血液を考えるときには、とてもよい導入になります。そもそも血液は昔から、生きるエネルギーであり、生命の源であると考えられていたのです。
 血液というものは不死の食料源であったと考えられたわけです。ある意味超自然的で神秘的なものなのです。ですから、血を飲んで若返るような吸血鬼伝説やドラキュラは人間の根っこにある生への希求を象徴的に表しているのではないでしょうか。
 生きるということは、非常に複雑で多様、個別的な融通無碍なものであること、さらに、清潔なものだけでなく常在菌のように「穢れたもの」といわれながらも人間が共存しなければならないものもたくさんあります。

参考文献:山田真『アレルギー体質で読む本――いのちを守り続ける免疫のはなし』(小社刊、2013)/マシュー・バンソン『吸血鬼の事典』(松田和也 、青土社、1994)/ポールバーバー『ヴァンパイアと屍体――死と埋葬のフォークロア』(野村美紀子 訳、工作舎、1991)/Newton別冊『人体図』(ニュートンプレス、2015)

(『小学生の授業 シーズン2』より抜粋)


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2020年8月16日

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(2020年秋、刊行予定)


ひきざん・くりさがり

 低学年の算数の最初のヤマは「くりあがりとくりさがり」といわれています。引けないときに、前の位〔くらい〕から「かりてくる」「もらってくる」のです。
学校では、くりさがりが横書きの「12−7」というかたちから始まり、位取りをほとんど意識せず、どうしても「暗算」的になるので、子どもたちのハードルは高くなります。それよりも、最初からもらってくる前の位を意識できる筆算にして、くりさがりを教えたほうがよいと思います。
 「10の合成分解」を利用して、まず10から減じてから、前にあった残った数と加算していく方法(減加法)がわかりやすいと思っています。それに、これは、十の位、百の位に発展しても使えるのです。

(『小学生の授業 シーズン2』より抜粋)


→「おかざき学級」時間割

2020年8月12日

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テキスト『15分動画でワクワク! 小学生の授業シーズン2』より
(2020年秋、刊行予定)


子どもを守る「子どもの権利」

 子どもに「権利」を教えるのは簡単ではありません。なぜなら、定型の「ことば」だけで教えようとするからです。しかし、生活のなかで、困難な問題に遭遇したときにこそ、権利を大切にして、人間らしく生きるためにはどうしたらいいのか?と考えるべきなのです。
 ボクたちは「悪いことはやっていけません」とことばでいえばみんな悪いことをしないという「怠惰な思考」から抜けなければなりません。具体的な生活のなかでしか「ことば」にリアルな力が生まれることはありません。
  「子どもの権利」は社会通念上は認められています。そのうえで「自分の考えや想い」を実現するために「子どもは発言し行動していいのだ」ということに焦点をおきました。

参考文献:木村草太 編『子どもの人権をまもるために』(晶文社、2018)
中山千夏『主人公はきみだ――ライツのランプをともそうよ』(出版ワークス、2019)
(『小学生の授業 シーズン2』より抜粋)


→「おかざき学級」時間割

2020年8月12日

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テキスト『15分動画でワクワク! 小学生の授業2』より
(2020年秋、刊行予定)


「うそ日記」を書く

 いちばん重要なことは、「上手に書く」ことより「書くことを楽しむ」ことだと思います。それには、「書くことの基礎を踏まえたうえで……」といいたくなるかもしれませんが、ボクはそういう考えが、作文ぎらいを生んでいると思っています。書きながら、「てにをは」や、構成の仕方、表題のつけかた、展開の仕方を学んでいくのであって、それは書くことの楽しさに裏打ちされていないかぎり、大人好みの模範作文を到達点としてしまう「つまらない作文」になるように思います。
(『小学生の授業 シーズン2、3』より抜粋)

→「おかざき学級」時間割

2020年8月12日

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(2020年秋、刊行予定)


たしざん・くりあがり

 計算はくりあがりを始めるときに、横書きと筆算を同時進行したほうがいいと思います(教科書どおりではないかもしれませんが)。とくに、初歩の計算は位取り(一の位、十の位、百の位……)をはっきりさせないと、今回のようなくりあがりの仕組みをわかってもらえません。
 学校では、最初から横書きで暗算が始まります。これは力業だと思います。とにかく6+7は13って覚えろ! です。もちろん、理屈としては、くりあがりもおはじきや数え棒などを使って具体的に「とりあえず」の説明をしていますが。急いで進めている感じです。
 ボクは「ゆっくりていねいに」を優先しています。

参考文献:遠山啓『算数はこわくない――おかあさんのための水道方式入門』(日本図書センター、2013) 
シーズン1・低学年「5 すうじのはなし――位のへやとゼロ」(30ページ)参照。
(『小学生の授業 シーズン2』より抜粋)


→「おかざき学級」時間割